自惚れ男子の取説書【完】
「い、一応聞きますけど…私なんかしました?」
「ほぉ、自分が悪いとは思ってるんだ?ふーん」
変わらず微笑む小田さんはぴくりと眉毛をあげた。
「俺と結婚したくないとか…お前くらいだぞ、ありえねぇ」
「へっ!?言ってない!そんな事言ってませんって、濡れ衣!」
「似たような事言っただろうが。お前が悪い」
私の上にのし掛かり両手を器用に封鎖すると、すすっと触れるか触れないか…私の鎖骨に優しく指を滑らせる。その絶妙な感覚に、勝手に肩が震えて応える私。
絶対言ってない!小田さんが困るだろうからってフォローしただけなのに何でっ………て
小田さん……って
「え、結婚したいんですか?小田さんって」