自惚れ男子の取説書【完】
足早に駐車場を抜け、ようやく病院の敷地を出ようとした時
「自分の足の長さ、わかってんの?」
キレイな顔を不機嫌に歪め、背後には小田さんが追い付いていた。
「いや、誤解ですよ!私、ストーカーとかしてませんからねっ、仕事で残ってただけで!!」
「それ位わかる、バカにすんな」
はぁ…じゃあ何を怒ってるだこの人。
病院から出てきたのは小田さんだった。あんだけ危ない女だと思われた上、ストーカーとか言われたんじゃ堪らない。
私なりの配慮だったのに、何でか小田さんの間にさわったようだ。