自惚れ男子の取説書【完】
美沙と別れ自分の駅に着く頃には、もうすぐ日付が変わろうとしていた。
ほんの数時間違うだけで、駅前の人通りはぐんと減る。出来るだけ明るい所を…と店が集まる道を選んでいると、必然的にお酒の匂いが漂う道へと行かざるをえない。
「あぁれぇーお姉さん、今帰りなの?飲んでかないのぉ?」
「まだ早いっしょー?遊んでこ、んね!」
案の定、大学生らしき男が3人居酒屋の前でたむろっていた。解散しようとしたけどぐたぐだ居座ってる、そんな感じだ。
酔っぱらいは嫌いだ。
自分もお酒を飲むけど、さして強くないのは自覚してる。だからちゃんと加減して飲むし、酔いつぶれるのも自分ん家だけ。
「あ、もう帰るところなんでぇ…ははっ」
あぁ…もう、めんどくさい。