自惚れ男子の取説書【完】
腰に手をあて、はぁっ…と深くため息をつく小田さん。
「何でこんな酔っぱらいだらけの所、わざわざ通るんだよ」
「いや、ここが一番明るい道だから…って」
「あっちの大通りとか通ればいいだろ」
「えぇー…遠まわ…」
言い終わるのを待つまでもなく、また厳しい視線で睨み付けられる。
「…すみません」
「ったく、一応女なんだから気を付けろ」
そう言ってよろけていた私の腕を優しくつかみ、ゆっくりと引き起こされる。