自惚れ男子の取説書【完】



「…こっちのセリフ」

「はい?」


ずずっとコーヒーを啜ると、めんどくさそうに私を一瞥した。



「仕事から疲れて帰ってきたら、知らない女が自分の駐車スペースで熟睡してて、呼んでも揺すっても起きやしない。俺としてはその辺の草むらに捨ててきてもよかったんだけど?通りすがりの人には不審がられるし、通報でもされたら目覚めが悪いかと思って善意で家まであげて布団を譲ってさしあげた…と」



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