自惚れ男子の取説書【完】
「おう。ちゃんと来たな」
「当たり前じゃないですか」
今日は小田さんとの約束の日だ。
何だかんだとお世話になったお礼。小田さんの希望を聞いてみたら「映画に付き合え」と予想外の要求だった。
「いいですけど。あ、でも彼女誘ったらどうです?」
「あぁ?どの女の事言ってんだ?お前の妄想か?」
と一喝。気遣っただけなのに、何でか怒られるし。噂ってあてにならない。
もし遅れたら…って考えると末恐ろしくて、私は30分前からここに立っていた。
私の隣りに立ってた女子高生達 。さっきまで”待ちぼうけくらってる女”をひそひそと噂してたくせに、イケメンの登場に私を見る目が変わっている。