自惚れ男子の取説書【完】


小田さんが指定してきたのは、今話題のラブストーリーだ。割りとどろどろした内容で、小田さんが選ぶには意外だった。

「取引先との話題作りだよ。俺の趣味じゃない」


自分から言っといて乗り気じゃないのか、と思いきやチケットは既に購入済み。トイレに行ってる間にドリンクは買ってあるし、スカートの私の為先回りしてブランケットを借りてくれた。

美沙が言ってた”仕事の鬼”っていうのも、何だか納得できるスマートさ。さすが営業マンって感じだ。


映画が終わる頃には日も暮れ、自然と夕飯も行く事になった。
小田さんが案内してくれたのは、近所のイタリアンレストランだった。


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