自惚れ男子の取説書【完】
頬杖を外しテーブルにもたれるよう腕を組むと、小田さんは軽く息を吐いた。
「あー…俺なりの自己防衛だよ」
「じこ、防衛…ですか」
はぁ…と曖昧な返事をする私を尻目に、小田さんは解説を続ける。
「俺は昔から目立つんだよ、残念ながら。面倒な女に付きまとわれる事も多かったし、適当にあしらってたわけ」
「そう、ですね」
それは今日1日で十分に実感していた。
歩けば必ず女性が振り向き、うっとりと小田さんを見つめる。それと同時に私は痛い視線に晒されていた。
「そしたら逆ギレされて嫌がらせされたり、変な噂流されたり?とにかく余計に面倒になったんだよ。それで、どうでもいい奴には適当に愛想良くしとくようにしたって訳」