自惚れ男子の取説書【完】
「お前に気ぃ遣う必要無いだろ?」
「まぁそうですけど」
当然っちゃ当然だけど、何だか悔しい。膨れっ面でグラスに口をつける。
「あら、聞き捨てならないわねぇ」
いつの間にかサラダを持ってきた店員の女性は、小田さんの主張に待ったをかけた。
にこにこと楽しそうに笑う女性は遠慮なく話を続けた。
「小田さんここに来るときいつも1人じゃない。1度だけ連れて来たのも男性だったし、女性なんて1度も連れて来たことないのよ?」