自惚れ男子の取説書【完】


話の途中からどんどん下を向く顔は、完全にガクッと項垂れていた。身体中の熱が顔に集中するのがわかる。

そうだ、あのとき。色んなことで心折れちゃって、車輪止めブロックに座りこんで…そのまま。

冷静になってみると、確かに外は昼過ぎ位の明るさ。一体どれだけ眠ってたんだろう。
穴があったら入りたい…恥ずかしすぎる!!!!気を抜くと思わず叫んでしまいそうなのを、必死でこらえた。


「心配しなくても寝てる女襲う程飢えてないんで。名乗るなら、世話になった自分からでしょ?」

「すっ、すみませんでした!!!!」


あわあわと慌てて、さっきまで横になっていたソファーの布団をキレイにたたむ。見ればソファーの横に、私の荷物がきちんと立て掛けてあった。

何だ、親切な人なんじゃん。



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