自惚れ男子の取説書【完】
小田さんのチョイスはあっさり目の魚介スープ、トマトたっぷりのクリームパスタとか…私の好みの物ばっかりだった。
気まずいまま黙々と箸を進めていると、おばさんも悪いと思ったのか料理の解説に来てくれて。
「小田さん、チコリもちゃんと食べてね」
「……」
ふふっと笑うおばさんの視線の先、見れば皿の端にちまっとチコリが寄せられていた。
「小田さん」
「うっせぇ」
「嫌い…なんですか?」
「誰もんな事、言ってねぇだろ!」