自惚れ男子の取説書【完】
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休憩室の窓の外、空には高く太陽が上り、じりじりと照りつける日差しに目を細める。
そのくせ、すぐ脇には分厚い雲が悠然と浮かびすぐにも日の光を遮ろうとしていた。夜には雨が降るらしい。
良いんだか、悪いんだか。
私のどうにも説明のつかないモヤモヤとした気持ちとあまりに似ていて、思わず苦笑する。握っていた箸を置くと、ぼんやりと自分のスマートフォンを見た。
そもそもそんな複雑な心境に追いやられたのは、先週末のこと。
小田さんと出掛けたあの日からだ。