自惚れ男子の取説書【完】
そうして放棄したツケは溜まりに溜まって、1週間後の今、私を惑わせている。
朝、小田さんから届いたメール。
”いつ暇?”
絵文字も何にもない簡素なメール。それでも私を動揺させるには、十分だった。
おかげで患者さんの名前は読み違えるは、検査室に物品忘れて行くは。とどめは、明日締め切りのレポートを師長に指摘されるまで忘れてたってオチ。
あまりの抜けっぷり。おかげで昼休憩に入るのも遅くなってしまった。
何て返そう…
失敗の数々やメールの返信に1人休憩室で考え込んでいると、ひょこっと美沙が顔を出した。