自惚れ男子の取説書【完】


そうして放棄したツケは溜まりに溜まって、1週間後の今、私を惑わせている。


朝、小田さんから届いたメール。


”いつ暇?”


絵文字も何にもない簡素なメール。それでも私を動揺させるには、十分だった。

おかげで患者さんの名前は読み違えるは、検査室に物品忘れて行くは。とどめは、明日締め切りのレポートを師長に指摘されるまで忘れてたってオチ。


あまりの抜けっぷり。おかげで昼休憩に入るのも遅くなってしまった。


何て返そう…

失敗の数々やメールの返信に1人休憩室で考え込んでいると、ひょこっと美沙が顔を出した。

< 78 / 362 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop