自惚れ男子の取説書【完】

 3



ヴヴッヴヴッ


スマートフォンが小さく振動する。

起きなくて済むようわざと音を切っていたのに、今日に限ってその振動に気づいてしまった。

まどろみの中、目も開けずにサイドボードを探る。


ヴヴッヴヴッ


しかし長い。メールにしてはいつまでも止まらないし、アラームは切ったはずだけど。

んー…と唸りながら、ほとんど無意識に画面のロックを解除する。

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