自惚れ男子の取説書【完】
『もしもし。まさか休みだからって寝てんじゃないでしょうね。30分後に駅前!いい?来ないと知らないわよ』
「…は」
まともな返事をする間もなく、ぶちっと切られる電話。
…電話?
数秒遅れてようやく自分が電話を取っていた事に気付いた。そして今の声は美沙だ。
マズイ。よく分からないけど、美沙が怒ってる気がする…マズイ。
覗いたディスプレイ、時計はやがてお昼の12時をさす所だ。思わぬ時間にギョッと目を見開いた。いくら何でも寝すぎた。
美沙の声と時計に急かされるよう、慌ててベッドから飛び起きた。