Colorful lovers
「おっ? 珍しく気が合わないな。
明太子かチーズかよ」
竹田がクスクスと楽しそうに笑う。
私はもう自分の勘違いが恥ずかしくて仕方なかった。
しかもまだ竹田に乗っかったままだし。
「もう! 紛らわしいよ。
何で日比野…くんはそんなものチームメートに配ってるのよ」
「あいつんちのばーちゃんは昔ながらの駄菓子屋なんだって。
だからしょっちゅうこーゆーのもらえるの」
楽しそうに笑ったまま竹田が私をぐいっと引き寄せる。
「わっ!」
私はあっという間に竹田に抱き締められてしまった。
「ちょっとーーー」
「かわいー」
抗議しようとした私の言葉は竹田からの思いがけない囁きで簡単に引っ込んだ。
「初めて見た。そんな赤い顔してるとこ」
私の耳元で話すもんだからくすぐったくて仕方なかったが、それ以上に竹田の言葉が恥ずかしくて顔を上げられない。
確かに火を吹いたみたいに顔が熱いけど、私はどれだけ赤くなっているんだろう。
「可愛いとこあるんじゃん。
これからもたまには見せろよ?そーゆーところ」
「イヤだよ。あんた相手にそんなもの必要ないでしょ」
抱き締められたまま何とか自分のペースを取り戻すべく、いつも通り憎まれ口を叩こうとする私を竹田が引き剥がす。
「何だよ、素直じゃねーな」
私に優しく微笑みかけて、甘いキスを落としてくれた。