Colorful lovers
大学の入学式で高校の卒業式以来1ヶ月半ぶりくらいに竹田と再会したときの衝撃を私はきっと一生忘れない。
「よぉ!久し振りだな。元気だったか?」
「た、た、た、竹田~!?
あ、あんたこんなとこで何してんのよ?」
「何って入学式に決まってんだろ。
ここで会って他に何がある?」
「だって、あんたは国立大学……」
「落ちたんだよ。傷口に塩ぬりこむな、ボケ」
あの時、軽口を叩きながら私はとても嬉しかった。
すぐ近くに知り合いは誰もいなくて、
何もかも初めてのことばかりで、
不安しかなかったところに現れた竹田が王子さまに見えた。
学部が違うから同じ講義はあまりなくて、それでもキャンパス内ですれ違うとそれだけでものすごく安心できた。
竹田も同じだったんだと思う。
大学に入って1ヶ月もしないうちに言ってくれた。
「なー、いつの間にかさ、俺、お前といるのが一番安心できるんだけど。
お前もそーだろ?
それなら、思いきって俺たち付き合わねーか?」
『好き』という一番大事な言葉もない告白に二つ返事で頷いてしまったのは、私も同じ気持ちだったから。
中学生からのただの腐れ縁だと思っていた竹田を私はいつの間にかものすごく好きになっていた。