Colorful lovers
ーーー入学希望者?…………本当にやる気があるなら俺が何とかしてやるよ?
ーーーい、いえ!違います。…………こう見えても私、既に大学生ですから。
…………私、日吉清海の妹です。
「ふっ……ダサかった、な」
うっかり思い出してみたら、それはそれは恥ずかしい行動だったんだなと気が付いてとんでもなく恥ずかしくなった。
もろに自分好みの女子が自分の職場を見上げていたので柄にもなくナンパみたいに声をかけてしまった。
あの時のぴーこの真ん丸に見開かれた大きな瞳は、多分、一生忘れないと思う。
驚いたのは突然声をかけられたことよりも俺の規格外の大きさに…だったみたいでいつまでも目を丸くしたまま首を直角にして俺を見上げていたっけ。
そんなぴーこの視線は全く不快感を伴わないものだった。
そのことが俺には興味深かった。
これだけ人を凝視しても不快にしないってある意味すごくない?何で?
この興味がぴーこへの好意のきっかけになった。
高校生じゃなくて大学生。
しかも俺が一番目をかけている後輩の妹。
迷わず予備校にぴーこを招き入れた。