Colorful lovers




「なぁ……」


すっかり黙りこんでしまった広瀬にゆっくり語りかける。


「今はとにかく勉強しとけよ。俺も全力で応援してやるから」


結局、当たり障りのない言葉を口にした。



広瀬が俺の方に顔を向ける。



「やっぱりそう言われちゃうんだ…。

ガリバー生徒には絶対手を出さないって言ってるもんね」


無理矢理笑ってみせながら、とても悔しそうだった。




……確かに似てるかも。
素直で分かりやすいそのカンジ。



ぴーこが自分と広瀬が似ていると言ったのは間違いじゃないかも。



だからなのか?



こいつを適当にあしらうなんて出来ないと思ってしまうのは。



それとも俺が失恋したばかりだから広瀬を傷つけることに躊躇してるのか?



俺は頭の中でぐるぐる考える。


考えながらも自然に言葉が口をついた。





「…………来年もこの日にチョコレートくれよ」


「へ……?」


てっきり玉砕したと思っていたらしい広瀬が目を丸くする。


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