Colorful lovers








「完璧ですね。とてもカッコいいですよ」



俺の支度を手伝ってくれた介添さんが拍手してくれた。



シルバーグレーのタキシード。


いつもはそのまま下ろしている髪の毛は軽く固めてもらった。


鏡の中の自分はいつもからは考えられないくらいかしこまっていて、
まるで七五三みたいだと落ち込みそうだったのに誉めてもらえてホッとした。



スタンダードな黒、白、グレーと衣装合わせで全てのタキシードを合わせてみたうちで、
踊子はこの色が一番似合っていると言ってくれた。


確かに黒や白よりはこれが一番無難だったと自分でも思う。


それに、このタキシードが一番スッキリと背が高く見えた。



これ、俺にとっては重要なポイントなのだ。



「清海のために少しでも綺麗なお嫁さんになりたい」


踊子はそう言ってくれた。


俺だって同じ。


少しでもカッコよく見せたい。踊子のために。








「はい、最後に胸元にこれをつけてくださいね」


差し出されたブートニアは踊子の大好きなオレンジ色の小さなバラで出来ていた。













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