Colorful lovers











俺たちが挙式をお願いしたのはそろそろ夕方になろうかという時間帯。




一層その色を濃くした陽光がチャペル内をオレンジに染める。




茜色のバージンロードにはステンドグラスの色鮮やかな模様が映し出され、幻想的な演出のもと新婦の入場を待ちわびていた。







ねえ、早くその扉を開けて、ここに入ってきてよ。





あなたは笑って入ってきてくれるのかな?





それとも、ここにいる皆みたいに始めから泣いちゃってるのかな?





出来れば笑っていて欲しいけど、
期待は出来ないかな?





めちゃくちゃ泣き虫だもんね、あなたは。









厳かなオルガンの音色と共に、



その扉が大きく開いた。













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