Colorful lovers




「じゃあ、千波ちゃん。これ持って撮ったら?

はい。受け取って?」



踊子が差し出したのはオレンジ色のバラをベースに作られたブーケ。



はじめから千波に渡すことが決まっていたので、投げ上げたりせずそのまま渡す。



「ありがとう。お姉ちゃん。



見て!シンタくん。もらっちゃったー」



千波は興奮しているのか頬を赤く染めて、受け取ったブーケをシンタの方へかざしてみせた。









「ーーー行ってこいよ」



シンタの肩を押してやった。




「いいの? 1人で寂しくない?」



「んなわけあるか!ーーーほら」




俺も胸元のブートニアを外して差し出してやる。



「ありがとう。…………"おにーちゃん" 」


「はぁ?!」



シンタがオレンジのブートニアを自分の胸元に差しながら悠然と千波のもとへと歩いていくのを唖然としながら見送った。




「……何言ってんの? あいつ」



…………。



…………。





……………………おにーちゃん、だと?



…………。



…………。













うわー……、さっきまでと全然違う意味で泣けそう…。









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