Colorful lovers
「ちょっと清海、まだ泣いてたの?」
シンタと入れ替わりで俺のもとに戻ってきてくれた踊子が呆れたように俺を見る。
「泣いてないし!」
「目真っ赤だし」
踊子に顔を覗き込まれて慌てて目を逸らせた。
「あいつが、シンタがおかしなこと言うから動揺しただけだよ」
「は? シンタさんが何て言ったの?」
「俺のこと…おにーちゃん、だって……」
「それがおかしいこと?」
首を傾げる踊子を恨めしげに見やってしまう。
そんな俺の様子に踊子は大きなため息をついて、祭壇の前で仲良くピースサインなんかしながら記念撮影をしている千波とシンタを指差しながら俺を諭すように話始めた。
「清海、見てごらんよ。
2人ともお似合いだし、すっごく幸せそう。
第一、シンタさんもそのうち家族になるんだろうから…って招待することに決めたのは清海じゃない」
「……それはさぁーーー」
反論しようとしたけど言葉が出てこない。
「千波ちゃんがこのままシンタさんのお嫁さんになったら、清海はシンタさんのおにーちゃんだよ?
敢えてその単語を口にしたのは、シンタさんはその気で千波ちゃんと向き合ってるってことを清海に伝えたんだと思うけどなー。
カッコいいよね、シンタさん」
踊子にそう言われて、改めて2人を見つめる。