Colorful lovers




「清海には私がいるじゃない。

それだけじゃダメなのかしら?」



踊子が優しく微笑みながら俺が握っていたハンカチを取り上げ、俺の目元をそっと拭いてくれた。



一緒に暮らし始めた頃からこうして踊子が俺を慰めてくれることが多くなった。


始めは頼りなくて俺が守ってやらなきゃ…って感じだったのに、いつの間にか立場が逆転しつつある。




どんどん強く逞しくなる踊子と
どんどん弱く情けなくなる俺。




そんな事態に不安を感じて俺の人生の師匠である近藤さんに相談したら笑いながら教えてくれた。



『いいんじゃないの?

それが今のお前たちにとって正しいカタチなんだよ。

ごく自然に出来たカタチならそれを無理に壊すことないから。

またカタチが変わる時がきたら、その時お前がしっかりしてればいいんだよ』



そう言われて素直にストンと納得できたから、甘えたいときは遠慮しないことにしている。



きっとこれから先も2人のカタチなんてその時々でコロコロ変わるのだろう。



無理にいつも強がるより、ここぞという時だけ強くいられればそれでいい。



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