Colorful lovers
「で?
千波ぶすくれてはいるけどこうやって予定通り私をここに連れてきてくれたし、
シンタさんとのやりとり見てても深刻なケンカではなさそうだけど原因は何だったわけ?」
雪がニヤニヤしながら身を乗り出した。
「ちょっと、楽しまないでよね?」
私はウーロン茶をぐいっと飲みながら雪を睨み付ける。
実際、雪の言う通り大したケンカではなかった。
ケンカともいえないかもしれない。
布団の中でお喋りしているうちにちょっとヒートアップして、お互いに拗ねて、そっぽを向いたまま寝てしまっただけなのだから。
それなのに朝目覚めたらいつも通りシンタくんに抱き締められていたから、寝る前のことなんかすっかり忘れてきゃっきゃっと身悶えてしまった。
「ーーーそうだ。
ケンカの原因、雪だって関わってるんだからね?」
ふと思い出して身を乗り出した私に雪が目を剥く。
「はっ?
な、何で急に私が出てくるのよ?!」
「眠り姫」
「…………はい?」
全く訳が分からないといった様子で首を傾げる雪に、私はテーブルにバンッと手をついて言った。
「雪が去年の語劇祭の時撮った写真だよ。
あの写真がケンカの原因なの!」