Colorful lovers
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「今日ね、予備校に去年まで通ってた生徒が遊びに来たの」
布団にくるまりながら私のお喋りは続いていた。
「へえ。予備校でもそんなことがあるんだ」
シンタくんは片肘をついて私の方に身を起こしながら優しく微笑む。
「うん。2人ともうちの大学に受かった子でね。
近いっていうのもあるし、お兄ちゃんやガリバー先輩に会いたいみたいでさ」
「ハハ。相変わらずモテるんだね、あの2人は」
「うん。お兄ちゃんなんて結婚したのに全然変わらないよ。
この間も新2年生の子に言い寄られてた」
「ウメちゃんも気が気じゃないな」
「子どもは相手にしないって言ってるけどね」
私たちは同じタイミングでクスリと笑う。
「でね、今日遊びに来た子の1人が私と同じサークルに入ったの。
その話を先輩にして、去年の語劇祭の話までしたみたいでさ……」
「去年のって千波がマレーシア語でジュリエット演ったあれ?」
「そう、それ。
それでその子たちが帰ったあともその話にしつこく食いついててね。
その時の写真とかないのかーって」
シンタくんの右の眉がピクリと上がった。