Colorful lovers




「あるの?」


ガバッと身を起こし私に覆い被さるようにしてきたシンタくんはちょっとだけ怖い顔をしていた。

私はパチパチとまばたきをしながら答える。


「大学に行けばね。 記録として残してあるから、色々と。
でも、その場になんて持ってないじゃない。
それなのに先輩しつこくて…」


「それで?」


「スマホになら何か残ってるかも…って探して…。
そしたら劇中じゃないけど終わった後に撮った写真が残っててーーー」


「見せたの?!」


「だってしつこいんだもん……」



シンタくんが私の上で盛大にため息をついた。


「お前さー……」


「だって仕方ないじゃん。
いつもお世話になってるし。写真1枚見せただけだよ?」


不貞腐れぎみになった私のおでこを軽く弾いてシンタくんが起き上がる。



「見せて」


「へ?」


「俺にも見せて。その写真。
っていうか、俺も見せてもらってないんだけど?
千波ジュリエット」


「そうだったっけ?」


私も起き上がってベッドサイドに置いてあったスマホを取り上げる。



「ーーー雪がわざわざ観に来てくれて、終わった後に楽屋で撮ったやつなの。

っていっても私は撮られたのも分からなかったんだけどね」


そう言いながらメールの受信ボックスから探しだした写真をシンタくんに差し出す。


ベッドの上で胡座をかいていたシンタくんがそれを受け取って画面を見たとたん深夜に相応しくない大声をあげた。



「はぁぁぁぁ?
これ見せたのかよ?!ばっかじゃねーの?!」







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