Colorful lovers




「ごめんなさい」


素直に謝ってシンタくんの胸に顔を寄せた。


「本当に悪いと思ってるの?」


「うん……。今も…夕べも。本当にごめんなさい」


もう一度ちゃんと謝って顔をあげようとしたけれど、シンタくんに頭を押さえられてしまっているからうまくいかない。


「あのーーーー」

「夕べは俺も悪かった。大人気なくて」


声を出そうとした私に被せるようにシンタくんが言った。


「何か余裕がないとこ見せてみっともなかったな」


「そんなことないよ」


抱き締められたまま目一杯首を振る。


腕の力を緩めたシンタくんが私の顔を覗き込むように体をずらす。


私たちは自然に仲直りのキスをした。








「……どうする? このまま先までシちゃう?
それとも朝ごはん?」


「もう! 朝からなんてシないよ。
もちろん朝ごはん!!」


「色気より食い気か。
やっぱりまだまだお子さまだね。


ーーじゃ、作ろっか。美味しい朝ごはん」


クスクス笑いながら起き上がろうとするシンタくんの胸をポカッと叩いてから、私は高らかに宣言した。



「もう作った!」


起き上がったシンタくんが私を見下ろし目をぱちくりさせる。



「千波が? 作ったの? 朝ごはん?」



疑問形だらけのシンタくんに私は「うん!」と得意気に頷いてみせた。






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