Colorful lovers


「それはつまり、今日の朝ごはんはトーストと野菜ジュースだけ、ってこと?」


ベットから降りて薄手のパーカーに袖を通しながらシンタくんが私を振り返る。


「もう! どうしてそうなるかなぁ?」


私もベットを降りてシンタくんに拳を振り上げてみせた。



「だって、千波の朝ごはんは毎日そうなんだろ?」


「いつもはそうだけど。今朝はちゃんと作ったの!
コーヒーもちゃんと豆から挽いて準備してあるもん!」


私が料理を苦手なことを知っているシンタくんは、私が朝食を作ったということがすぐには信じられないらしい。


だけど私は本当に作ったのだ。


昨日のことを謝りたくて。

たまにはシンタくんのために何かをしてあげたくて。




「へぇ……。どれどれ?」


唇を尖らせた私を笑いながらシンタくんがリビングに続くドアに手をかけた。


「ちょっと待って!
まだ温め直したり仕上げがあるからシンタくんはそこで座っててね」


シンタくんの横をすり抜けダイニングテーブルに誘導すると私は弾むような足取りでキッチンに入っていった。




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