Colorful lovers




朝食のメニューはベーコンエッグにレタスとトマトのサラダ。


それにチーズトーストとコーヒー。



簡単すぎて作ったとも言えないメニューかもしれない。
それでも料理が苦手な私には精一杯だった。


義姉の踊子さんに料理を習いたいのだがなかなかお互いの時間が合わず実現していない。



「手伝うぞ?」


「大丈夫!!」


何度も立ち上がろうとするシンタくんを制しながら準備を整える。






「出来た!!」


先にサラダとコーヒー、トーストをテーブルに並べ、シンタくんに意味ありげに微笑んだ。



「何?」


「ふふふ……」


最後にベーコンエッグのお皿をシンタくんの前に置く。



「…………えっと……」


お皿に目をやったとたんシンタくんが顔をひきつらせ、そして私に視線を移した。



「どーぞ?」


私は得意気に首を傾げながら笑ってみせた。


ケチャップで【LOVE!】と描いたベーコンエッグを手で指し示しながら……。






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