バレンタインの奇跡【短編】
「……


わりぃ。


気持ちは嬉しいけど、俺、好きなヤツいるから」


へー、小林って好きな人いるんだ。


だから今まで誰とも付き合ってなかったのかな。


それか男か。


「……やっぱ噂ってほんとなんだね。


みんなにそう言ってるって聞いてたから。


……じゃあこのチョコだけは受け取ってくれる?」


「あー……


悪ぃけど、今年は俺本命しか受けとらないって決めてたんだ。


だから、これは受け取らない。


本当にごめん」


頭を下げた小林。


涙腺が弱くなっている私。


……ちょっと涙が出てくるじゃん。


「そんなに謝られたら怒れないじゃん。


もういいよ。


さようなら」


女の子は走って教室を出ていったようだ。


なんか健気だよな〜


やばい。



また涙が出…






「何、そんなとこで泣いてるんだよ」



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