卒業前に君に捧ぐ

音色

すると、高橋くんが私の座ってる席の右斜め後ろの席に腰をかけた。



あれ?


どうしたんだろ??



か、帰らないのかな…??



私は思わず高橋くんを目で追っていると……。


「……あ!お、俺のことは全然気にしなくていいからっ!!ただ、ギターの手入れをするだけで……!その、葉月さん…の勉強の邪魔になることは絶対にしないから!」



あ……。


もしかして気遣ってくれてるのかな?



なら、申し訳ないな。



私は慌てて高橋くんに言った!


「そ、そんな…!全然平気だよ!?そ、それにいまのは勉強じゃないから。……ちょっと、試験の自己採点で、記入漏れした箇所を見てただけだから。だから全然邪魔じゃないし、ギターも弾いていいので…!」


「そ、そっか。………ありがとな!」


「……っ。ううん!ど、どういたし…まして……。」
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