卒業前に君に捧ぐ

「え……？」


後ろから声が聞こえて、ゆっくりと振り返る！



「それ、試験勉強……？」




えっ！？



高橋くん！！？


帰ったんじゃなかったの！？



声の主は、まさかの高橋くんだった……！！


彼は私の手にする問題用紙を覗いて見てくるけど、ある程度の距離は保ちつつ、


そして少しだけ遠慮がちに見てきた！




な、なんで？？



なんで高橋くんがいるの？？？



ちなみに、私は高橋くんとは今まで話したこともない。


同じクラスだけど、人気者の高橋くんと地味で目立たない私とでは話す機会なんてあるわけが無かったのだ！


だから、この彼の行動に私はいま果てしなく驚いている……！！！



そ、それに、



高橋くんをこんなに近くで見たの、初めてかも！