もう一つのダイヤモンド
ご飯を早炊きにして、冷凍庫にストックしてあった魚を焼いて、ほうれん草のおひたしを作る。何か、The和食の献立になってしまった。
バタバタと用意が整ったところで、インターホンが鳴る。
「おつかれさまです。」
ドアを開けると、スーツ姿にコートを羽織った隼人さんがいた。スーツ珍しいな。
そして、かっこいい。背が高く、広い肩幅にスーツが似合う。
「おつかれ。」
そう言って、ふと微笑んでくれた顔は、甘い。
「…スーツ、珍しいですね。」
「あー大学に行ってたから。」
「…?」
隼人さんは大学病院の所属の医者で、総合病院には派遣されてきている。近隣の大きな病院は、大学の医局から医師が派遣されていることが多い。水曜日って大学病院の外来はなかった気がするけれど。