もう一つのダイヤモンド

私の部屋は、ワンルームだから、ベッドの横にコタツがあって、ハンガーラックもそこにある。

先生は、ハンガーラックのハンガーにコートをかけた。
当たり前のように…。
そんなささやかなことが、とってもうれしい。

そして、ネクタイを緩める仕草に、ドキドキした。


見つめすぎたことに気づいて、

「ご飯用意しますね?」

と慌てて、キッチンへ移動した。

「ありがとう。ごめん、突然。」

と背中に声がかかり、

「いえ、いっぱい作ったので。」

と赤いであろう顔が見えないように返した。

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