二匹の銀龍

「なっ!はーなーせー!」

必死に足掻くが男の力には
敵わなくて、屋上に引き摺られていく

「さっきの子連れて来たよ」

結局屋上の中に連れて行かれ

目に入ったのは

三人の男が、寝たり、携帯触ったり、ゲーム
していた。

…自由だな。

「っ、離せって!!」

「ダメですよ。ここがどこだかわかってます?」

「知るわけねえだろ!!んなもん!!」

あ、やべ…つい、喧嘩腰で……。

「知らないんですか?」

…は?

「いやいや、知るわけねえだろ」

頭おかしいんじゃね
てか、お前等誰だし

「知らない人って居るんですね。まあ、こっち座って?自己紹介しようか」

「は?嫌だ。帰る。」

「あれ?君誰?」

ゲームしていた奴がこっちを向いた

「誰って‥転校生」

「ふぅん。転校生なのか〜!!僕とゲームしよ!!」

いやいや、初対面ですけど
嫌ですけど

ゲームしていた奴は
ゲーム片手にこっちに寄ってくる。

あんまりあたしとは身長変わらなくて
金の髪に前髪を横流しし、ピンで留めている

所謂、可愛い感じの顔。

「あ、僕は榴 黒繪!!よろしくね!」

「…よろしく、?」

てか勝手に自己紹介されても困る。

「えーと、さっきの黒髪の奴」

「ん?俺?」

「そうお前」

さっきあたしの腕引っ張ったやつ。
地味に腕痛かった。

「俺がどうしました?」

こいつ、敬語かタメ語かどっちかにしろよ‥

「帰りたいんだけど」

「えー!!帰っちゃやだよー!!」

そんなに可愛く言われても無駄ですね

「お前等さっきからうるせえよ!!ちったぁ黙ってられねえのか!?」

お言葉ですが、あなたのほうが煩いですよと
言いたかったが言ったらうるさくなりそうなので黙っておこう。

「竜こそ五月蝿い!!」

「あ!?黒繪のくせに、俺様に喧嘩売ってんのか!?」

きた、俺様。
俺様嫌い、うるさいし

「俺様五月蝿い」

「あぁ!?女てめぇ!!」

「「ぶっ」」

‥今誰か笑ったよね??

「あはは!!竜‥俺様って…あはは!!」

黒髪のやつがお腹を抑えて
爆笑している

「俺様!!ウケる!!」

黒繪も笑い転げている

「お前等うるせぇ!!!」

「ひーひーっ…君最高っ!!」

笑いどころあったっけ
よく笑うなぁ…。

「はぁ、もう寝る!!邪魔すんなよ!」

竜というやつは拗ねて寝てしまった

「はー、面白かった。君、言うね、ほんと」

「ほんとのこといっただけ」

「ねえねえ、名前なんていうの?」

‥名前教えてもらったし(黒繪だけだけど)答えないわけにはいかないよね‥。

「あたしは黒鎚蓮」

「蓮ちゃんかぁ〜!!蓮って呼ぶね!」

「あ、うん」

何かと言っちゃこいつらのペースに
乗せられているような。

「蓮ちゃんって呼ぶね。」

「ちゃんあわないから蓮でいい」

「んじゃ蓮って呼ぶね。俺まだ名前言ってなかったよね?俺は宇津峰哉汰。よろしく」

「哉汰ね、よろしく」

「そこでさっき拗ねて寝た奴は、新島竜。短気なやつだけど良い奴だから、」

微笑みながら言ってるから
ほんとに信頼しているんだろうな。

「で、そこで寝てるのはー‥「………お前等さっきからうるせえぞ」

ずっと、寝ていた奴はフードを被っていて
よく見えなかったが

起きたらフードがとれ
中から綺麗な銀色の髪が出てきて

思わず息を呑んだ

あたしと、同じ‥銀色…

「あ、おはよ。瑛斗」

「…コイツ誰だ」
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