二匹の銀龍
「この子は黒鎚蓮っていう転校生だよ」
「‥おい、お前」
「…何」
いけない…銀色の髪が綺麗で見惚れてしまった
あたしの汚れた銀色とは
全く逆の銀色だから…ー
「…昴さんの妹だろう」
「…それが?」
「え、昴さんの妹なの!?」
「えー!!ほんとなの!?」
昴さんとはあたしの兄貴の名前
それがどうしたっていうんだろう
「‥聞いただけだ」
なんだよそれ!!!何かあるかと思ったじゃねえか!!
この銀髪腹立つ!!
「瑛斗、自己紹介してよ」
「…新庄城瑛斗」
新庄城…瑛斗‥あ、もしかして‥
「 BlackSnakeの??」
「なんだ、知ってるんだ」
「…そうだ、俺が総長だ」
ああ、ヤバい人に会ってしまった
しかも、世界№1の暴走族。
もう、“裏世界”には関わんないって決めたのに
「…帰る。」
ここからすぐさま立ち去るのが安全
「え、ちょ、ま!」
哉汰が何か言っていたような
気がしたけど、無視して
屋上をでた
…くそ、あいつら知ってて黙ってたな‥
ぜってぇしばく‥。
あたしは理事長室へ向かうべく
その場を立ち去った