二匹の銀龍

第四章

倉庫から出たあとあたしは
ムシャクシャしていて

今は繁華街に来ている｡

途中トイレにより､上からパーカーを
羽織りスカートも脱ぎスウェットに
履き替えトイレを出る

「ねぇねぇ、お姉さん、俺達と遊ばない?」

「ちょっとだけでいいからさぁ~あそぼうよ」

また、いつものように絡まれる。

ほんとうざってぇ…｡

あたしはそのまま無視し歩き続けた

「ちょ、無視すんなよ!!!」

「無視するとかいい度胸してんなぁ!!」

無視したのが余程頭にきたのか
腕を掴んできた

だから、そこ痛えつってんだろ

それでも黙っていると

「お前ちょっとついてこい!!!!!!」

そういい、路地裏まで連れて来られた

「お前が無視するからいけねえんだからな?」

「恨むなら自分を恨めよ？」

男共はニヤニヤしながら
近寄ってくる

「…そっくりそのまま返してやるよ」

ーﾊﾞｷｯ

「ｸﾞﾊｯ」

男は1m先まで飛んでいった

「な、何をした！？」

「何したって…殴っただけ?」

お前等あたしを誰だと思ってんだ

「な、何者だ‥てめぇ!!」

もう一人の男はビビリながらも
話し続ける

へぇ…度胸あんね

言い方古いけど。何者だ!!って

「…………“夜魅龍”舐めんなや」

その瞬間男共の顔は血が引いていき
「ﾋｯ…す、すいませんしたー!!!!!」と、走って行った

…つまんね｡

今のでわかったかもしれないけど
あたしの夜の姿は
『夜魅龍』

一時期訳あって荒れていた時に
繁華街に出て暴れていたら
知らない間に通り名がついていた

もう、暴れないと決めたんだけどな

人を殴りたい衝動が抑えられなくて

人を殴っていないと自分が保てないような気がして

結局は人を傷つけてしまう｡

毎回繁華街にきて

暴れて

今日もあたしは闇に堕ちてくー…