二匹の銀龍

「じゃあね。ありがと」

「待て。お前も屋上来い」

「‥何で?」

「話してぇ事ある。昨日哉汰が言いたかった事聞いてねえだろ?」

途中で帰っちゃったからな
…仕方ねぇ。行くか。

「少しだけなら」

「ついてこい」

大人しく瑛斗に着いて行く事にした

瑛斗の後ろ姿を見ていると

“アイツ”を思い出す
…あたしの初恋、あたしが初めて愛した人

唯一無二の存在だった。

…ダメだ、思い出したら泣いてしまう

…泣けないけど。

昔の思い出に浸っていると
いつの間にか屋上に着いていて

気づいたら瑛斗は居なくなっていた

…お前が連れてきたのに
先に入るなよ…。

内心瑛斗にイライラしながらも
屋上に入った

「あ、蓮やっと来た」

「蓮〜!!待ってたよ〜♪」

「げっ…女来たのかよ!」

屋上に入ると
いろんな言葉を掛けられた

…前々から思ってたけど
黒繪って結構腹黒だよな

思ってもねえ事言えるんだから

「話ってなんだ。」

「まぁまぁ、そう焦らないで、そこ座って?」

哉汰は自分の目の前を指差す

座らなきゃなんねえ程
話長えのか…。

仕方なく座ることにした

「えーと、昨日帰っちゃったから話出来なかったよね?2つ目の話はー…」
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