二匹の銀龍
哉汰は携帯を差し出してきた。
その携帯を見てみると
「…これ」
「そう、チェーンメールだよ」
あたしが倉庫に入るとこを
撮られていた。
…また厄介な事に。
「これがどうした訳」
「少なくとも、裏世界の人間ならわかるでしょ?」
哉汰は挑発する様に言ってきて
あたしを見る目は、冷たくてー…
「…お前等もあたしが誰かわかってんなら、放っておけよ。」
ここにいる奴、瑛斗以外は
あたしの事なんてどうでもいいはず
「放って置けないんだな〜、それが」
「何で」
「蓮は傀儡という族に目を付けられた。そこのバックは藤嶋組なんだよね」
傀儡と藤嶋組は汚い手を使うとこで
有名だ。
「だから、大人しく俺達に守られて?」
哉汰の目はさっきとは違う冷たさで
やっぱり信用はしてくれない
黒繪達も黙っていて
あたしを監視するように、ねー…
「…あたし一人で片付ける。信用もされてねえのに、チームにいる気はねえ。じゃあな」
「っ…」
何か言いたげな表情だったが
無視して、屋上を出た
あぁ…やっぱり
あたし自身を見てくれる人は
いないんだー…