神様なんていない
『××駅〜次は××駅〜』

またあの駅員の独特なアナウンスが流れる

その声で目が覚めたのか男の子はキョロキョロと周りを見渡し寝過ごした事に気づいたのか急いで降りていった

その間もずっと目が合わないかなーなんて思いながら見ていたが一度も目が合うことは無かった

ちょっと残念に思いながらも、あー今日念入りに用意してよかったと思った

「一目惚れやな〜」

ニヤニヤしながらあすみが肘でつついてきた

「う…うるさいっ!!」

「顔赤なってんデーかーわーいーいー」

そうあすみに冷やかされて自分の顔が赤くなっていることに気がついた
両手でほっぺをサンドするととても熱かった
蒸気機関車のようにポッポーと今にも音を鳴らしそうだ

あの子の事を思い浮かべて何度も赤面する

その度にあすみに冷やかされて赤面

それを神戸に着くまで何度も繰り返していた

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