神様なんていない

運命か偶然か？

「ただいまー」

と言って家に入ると

「おかえりー」

と言って出迎えてくれる家族

その中には有吉もいた

「みおーご飯出来てるから食べり〜」

ダイニングテーブルの上には美味しそうハンバーグが置かれていた

「いただきまーす」

ママの作るハンバーグは絶品だ

大好きなハンバーグを口いっぱいに放り込む

「おいしい？？」

と優しい笑顔で聞いてくるママ

ママにおいしいと伝えて有吉の方を見た

有吉も優しい笑顔でこちらを見ていた

「神戸楽しかったん？」

「うん！めっちゃ楽しかった！！あ、ほんでな〜」

と今日あったことを全て話した

もちろんあの男の子の事も

すると有吉が…

「え、まおが見たその男の子斗衣ちゃうか？」

「え？」

思いもよらない答えが返ってきて戸惑う私

「電話してみるわ〜」

有吉は携帯を手に取り電話をかけ始めた

ﾌﾟﾙﾙﾙｰﾌﾟﾙﾙﾙｰと一定のリズムで流れる呼び出し音

その音を聞きながら私の胸はドキドキと音を立てていた

変な汗が流れる

今までに無いくらい緊張する

「あ、もしもし斗衣？？お前さ今日××駅で降りた？？」

向こうの声は聞こえないけれど私は心から違う人であって欲しいと願った