神様なんていない

クラスで一番可愛い子

その日は雨でこっちまで気分が沈んでくる
雨は嫌い
今までの色んなことを思い出して泣きそうになるから

そんな事を思いながら窓から流れ落ちる雫を眺めていた

「みーおちゃん」

名前を呼ばれて見上げるとクラスで一番可愛い女の子が立っていた

確か名前は…

「あすみちゃん?やんな??」

「そーそー!名前覚えといてくれたんや!!」

クラスで可愛い子の名前を覚えない訳が無い

「うん、まぁ…笑 で、どうしたん?」

「どーしたってわけじゃないねんけどなぁ〜話してみたいなーって思って!!ずっと可愛いなーって思っててさ〜お近づきになりたいなーって」

「え?こんな見た目いかついのに??」

自分で言うのもなんだけど、きっと誰からも話かけられないのはこの見た目のせいでもあると思う

鼻にピアスつけて、化粧はギャル風で髪型はてっぺん黒で毛先にかけて金になっていくグラデーションだ

「確かに最初はこいつヤバイやつや…って思ってたけどさ自己紹介の時もめっちゃおもろいこと言うてたし授業当てられた時も話聞いてないんかしておもろいし絶対この子ええ子やって思ってたねん気絶対合う!!って」

「そーなんや、ありがとう」

久しぶりに人に褒められた気がする
こんなに気持ちいいものなんだなーとしみじみ実感していた

もっと女の子女の子した苦手なタイプなのかなと思っていたあすみちゃんは意外とそんな事はなくて話易く、私たちは直ぐに打ち解けていった
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