終わらないMelody【短編】
「へ……?」

あたしの言葉に、新はポカンとした表情になった。

「あの…どういう意味っスか…?」

あたしの言葉を理解してないらしい。

新を見詰めたまま、黙り込んでいるあたしに、新は徐々に、顔が赤く染まっていった。


そんな新を不思議に思い、あたしは首を傾げる。

「何…?どうしたの……?」

すると新は、再びあたしを強く、抱きしめた。

驚いて、あたしは戸惑いの声を上げた。

「えっ…な、何…」


でも、その言葉は、新によって遮られた。

「七世…先輩」

あたしの耳元で、優しく囁く新。

くすぐったくて、身震いする。

そんなあたしに気がついてか、包み込む力を更に強めると、新はゆっくり言葉を紡いだ。

「俺…確かにズルイっスよ。好きな人振り向かせるためなら、なんだってするし。他の誰かを傷つけようと、俺は自分の本能に貪欲っスから。でも……それだけ、俺は失いたくないんだ…」

ゆっくりと…壊れ物を扱うみたいに、あたしの躯に触れ、そっと放す新。


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