終わらないMelody【短編】
見上げた先にあるのは、あたしを見詰める、綺麗な愛おしい瞳。

凛とした何時もの瞳は、哀しみに満ちていて――。

あたしは胸を締め付けられた。


そんな顔しないで――…。

今にも壊れそうな新に、あたしは手を伸ばした。

そんなあたしの手は、新の大きな右手に包まれた。

そのまま自分の右頬に、包み込んだあたしの手を添える。


「冷てー…」

あたしの手を握る新は、小さく呟き微笑んだ。

「つか七世先輩、どんだけ華奢なんスか?ちゃんと食わなきゃ、ダメっスよ〜」

クスクスと笑う新に、あたしは心を奪われた。


ああ…あたし、

この笑顔が

欲しいんだ――…。



無邪気に笑う新を見て、あたしはもう、高ぶる気持ちを抑えられなかった。

また、無意識に流した涙。

「えぇ!?先輩っ?」

そんな、新の声を聞きながら、あたしは自ら、新の胸に飛び込んだ――。



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