終わらないMelody【短編】



「…好き…、大好き…っ」


あたしは新の腕の中で、はっきりと呟いた。

「…え……」

あたしの耳に届く声は、驚きを隠せないよう。

そのまま、あたしは新の胸に縋りながら言葉を紡いだ。


「好き…っ、好きなの…っ!

新の笑顔も、匂いも温もりも…全部が…愛おしいくて…

新の…傍に居たい――…」



「っ…!」


―…言い終えた時には

新の真っ直ぐな瞳に捕らえられていて。


あたし達は、口付けを交わしていた――…。







「はっ…んっ……」


何度も何度も角度を変えて、キスを繰り返してくる新。

上手いんだな…と思ったけど、それが心地良くて、あたしは新に身を委ねていた。

ちゅっ…と音を立てて、離れる唇。

トロンとした瞳で、新を見詰めていると、新はスッと顔を逸らした。

何故だろうと思い、首を傾げたあたしに、新は大きな溜息を零す。


「ホント…先輩って、鈍感っていうか天然っていうか……。とにかくズルイっスよ!!」


< 22 / 34 >

この作品をシェア

pagetop