終わらないMelody【短編】
自然と涙が溢れてくる。

何故だか分からないけど…

とめどなく零れる涙を、抑える事は出来ない。


ピアノを弾く新の姿は、綺麗で、カッコよくて……。

思わず、見取れた。


ああ…この人は、

どんな姿も様になるんだ……。

あたしはこの時、そう感じたんだ――。





「―…よしっ、終わった〜!!どうでしたか、先輩……って!先輩!?何でまた泣いてるんスかっ!?」

演奏を終え、集中が途切れた新は、あたしを見るなり驚きの声を張り上げた。

「マジ、泣かないでって言ったじゃないスか〜…。

何で、泣くんスか…?」


――そんな事、決まってるでしょ?

本当に、自分の事になると鈍いんだから…。
って、それはあたしも同じか…。


「新の…」

「へ…?」

あたしはボソッと口を開いた。

新は、あたしの声が小さすぎて、何を言ったか聞き取れなかったんだろう。

あたしは涙で濡れた顔を拭いながら、言葉を続けた。


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