終わらないMelody【短編】
「新が、ピアノを弾く姿が…凄く、綺麗だったから…
感動、したの…。

それに…ね?嬉しかったんだ。

あたしの好きな歌を、新が演奏してくれて…」

心配かけてごめんね、とあたしはヘラッと笑う。

でも新は、顔を真っ赤にすると、自分の左腕で顔を隠してしまった。


「…え?」

あたしは訳が分からなくて、新に近付く。

「ね、ねぇ?どうしちゃったの…?」


「――可愛すぎだってば…」

そんな新の言葉を、あたしは聞き漏らしてしまった。

でも新は気にも留めず、ぽつぽつと言葉を紡ぐ。

「…当たり前っしょ…?俺、先輩がこの歌好きって聞いたから、バカみたいに練習したんスよ?先輩に聴かせるために。

驚かせようと思ったから、ピアノ出来る事も黙ってたし、部活も出ないようにしてたし。

でもそのせいで、先輩のこと、怒らせちゃったしなぁ…。ごめんね、先輩」


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