終わらないMelody【短編】
あたしは、そんな新の話に驚きを隠せなかった。

―…そのために、新は今まで部活に来なかったの?

「バカ…っ」


「え…っ?バ、バカ…?」

新はあたしの一言に、かなりおどおどしている。

そんな新をよそに、あたしは新に尋ねた。

「練習なんて、何時してたのよ…?」


すると新は、バツが悪いように頭を掻いた。

「あ、朝と昼休み…あと放課後、家で…」


…そんなに、練習したの…?

あたしはまた、涙腺が緩んだ。

『先輩に聴かせるために』なんて言われて、しかもそのために、そんなに練習したなんて言われたらさ…

嬉しくない訳、ないじゃない……。


「あ〜あ、また泣かせちった…」

小さく笑いながら、あたしの涙を拭う新は、優しい瞳でこんな事を口にした。

「ねぇ…七世先輩?この歌の内容、知ってますか?」


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