終わらないMelody【短編】

あたしこと、『深田 七世(ﾌｶﾀﾞ ﾅﾅｾ)』は、吹奏楽部の副部長を務める高校二年生。

季節は夏。

夏になると、吹奏楽部には、特別コンサートがある。

コンクールを終えた三年生は、このコンサートを機に、部活を引退する事になっていた。

副部長のあたしは、三年生が引退すると、部長がいなくなるため、自動的に部長になる。

そのため、この季節は、普段以上に忙しい時期なのだ。


入部率の高い、我が吹奏楽部は、他の部活よりも遥かに活動日が多い。

沢山の行事に参加する故、避けては通れない道である。

それに、吹奏楽部には、それなりの練習が必要だった。

幾ら入部率が多いとはいえ、この大事な時期に、部活を休まれるのは、たまったもんじゃなかったのだ。